窓のない薄暗い部屋に大型哺乳類の剥製が所狭しと並ぶ。 ここは茨城県つくば市にある国立科学博物館の筑波研究施設「自然史標本棟」。通常は非公開の8階建ての建物に世界中から集められた動物や植物、鉱物など多岐にわたる標本が収蔵されている。 博物館の本館(東京・上野)に展示している標本資料は全体の1%未満。展示室に収まらない約470万点が筑波研究施設に保管されている。上野動物園の人気者だったジャイアントパンダ「リンリン」の剥製もある。 現在では入手困難な標本も多い。動物研究部の研究者、川田伸一郎さん(47)は「その時