ミッションインポッシブル デッドレコニング
監督・脚本/クリストファー・マッカリー
この人を語る上で外せない映画がある
95年に公開されていまなお、サスペンス映画の最高傑作の一つと言ってもいい「ユージュアル・サスペクツ」の脚本をしているからだ
そして、ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル(11)以降のミッション・インポッシブルシリーズや「オール・ユー・ニード・イズ・キル(14)」や「トップガン・マーヴェリック(22)」でも脚本担当、担当の一人だった彼が手掛けていることを考えれば面白さの下敷きは十分にあるといえるだろう。
また「アウトロー(12)」も彼の監督作品である
出演
イーサン・ハント/トム・クルーズ
ルーサー・スティッケル/ヴィング・レイムス
ベンジー/サイモン・ペッグ
イルサ・ファウスト/レベッカ・ファーガソン
ホワイト・ウィドウ/ヴァネッサ・カービー
グレイス/ヘイリー・アトウェル
ガブリエル/イーサイ・モラレス
キトリッジ/ヘンリー・ツェニー
ミッション:インポッシブル』シリーズの第7作目。
元々は2021年7月公開予定だったので、撮影自体は2019-20に行われていた作品。
コロナの影響でここまで伸びたが、来年にパート2の公開がある…と考えると、待つのが1年で済む…という考え方もある
ストレートに行って、アクションエンターテインメント映画+前後編の前編映画としては完璧に近い完成度と満足度。
トム・クルーズのアクション 散々予告などで流れていた 断崖絶壁からのダイビングアクションは見せないほうが良かったかもしれない…
あれのインパクトが凄すぎて他のアクションが「あれ待ち」感が出てしまう人もいたかもしれない
物語
ロシア原子力潜水艦でとある機器のチェックをしている様子からスタート。その原子力潜水艦は謎の潜水艦を捉え戦闘状態に入るが不可思議な事態に陥ってしまう…
時と場所を変えて、
イーサン・ハント(トム・クルーズ)はもちろんIMFの存在すらしらない政府高官が集まり会議を開いている。そこで議題に対して発言をしているのはキトリッジ。そこでイーサン・ハントやIMFの存在について話が行われる中一人の男が現れるのだが…
現段階で公式サイトなどに記載がない情報もあるのだが、少しネタバレ的お話しになってしまうのであしからず
基本ミッション・インポッシブルのタイトルのイメージできる、アクション映画ファンにとって見逃せない作品に仕上がっている。映画は緊張感に満ちた展開とスリリングなアクションシーンで観客を魅了してくれることは間違いないだろう。
散々というほど見せてくれていた断崖絶壁からのダイブシーンはもちろんだが冒頭からイーサン・ハントが危機に陥り、チーム力で切り抜ける緊迫感はシリーズおなじみのもの。
おなじみのもの=あるあるネタでもあるのだが、だとしても緊迫感と緊張感は半端ない
実際に列車上でのアクションシーンも実景とスタジオでの収録との違いがわからないほどで、ここでもアナログ的アクションを見せてくてくれる。
このロケが行われたラウマ鉄道は風光明媚ではあるが、実際に列車を落とすなど迫力あるシーンの連続で、まさにエンターテインメントのアクション映画として完成しているといえる
そういったアクションが注目されがちだが、本作はイーサン・ハントの深層心理や過去の因縁が織り交ぜられており、これまで以上に感情的なドラマが展開される。
イーサン・ハントが自身の過去と向き合いながら、絶体絶命の危機に立ち向かう姿は、観る者の心を揺さぶる部分もあるだろう。
今回の最大敵はテロリストでもなければ某国家でもなく、秘密組織でもない。さらに様々な組織が入り乱れるので敵味方の識別が難しくなるところだが、
イーサン・ハントの仲間以外は全部敵
というシンプルな設定にすることで観る側が判りやすくなるようにしている。
世界の覇権を変えるかもしれない鍵となるアイテム2つを巡る奪い奪われ、裏切られの2転、3転の物語は164分近くの映画でありながらも長さを感じない出来栄えになっている。
おなじみの、ルーサー(ヴィング・レイムス)やベンジー(サイモン・ペッグ)、イルサ(レベッカ・ファーガソン)といった、クリストファー・マッカリー監督からのキャラクターの見せ場もしっかりと用意されているのは嬉しい限り。
今回はルーサーとベンジーの圧倒的なハッカー能力が120%活かしきれなくなっていくシナリオになっており。これは最新のCGに頼らずアナログ的なアクションを徹底的に自ら実践するトム・クルーズらしい、
現代のCG映画へのアンチテーゼ
のようにも感じる
とは言いつつも、ルーサー、ベンジーともに見せ場はしっかりとあるのでシリーズファンは納得とも言える
そしてキトリッジの復活である。
第1作目でイーサン・ハントを付け狙い続けたが、ラストにはイーサンからの贈り物とも言えるマックス逮捕のカットから、ミッション・インポッシブルシリーズでは出番がなかった彼が、ポイントポイントで重要なポジションで出演する。
特に冒頭のイーサン・ハントとの対面・会話シーンでは1作目を思い出させるカット割りで見せてくれる。イーサン・ハントの方も目にうっすらと涙を見せながら首をふるシーンは1作目はまさにサービスカットとも言えるつながりで、ほぼ同じような角度で撮影をしているのではないだろうか?
さらに
2作目のOPのように、垂直の状態から体一つでよじ登っていったり、飛び移るシーンがあったり、
3作目のクライマックスを思い出させるような建物と建物の間を走り抜けるシーン(ベンジーのナビ付)
4作目/ゴーストプロトコルでもあった、古い軍事衛星の再利用
などなど、過去のミッション・インポッシブルで使われてきた小ネタを盛り込みしてくれているシリーズファンとしては嬉しい限りかもしれない
もちろん
ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション
ミッション・インポッシブル/フォールアウト
との関連性もあるので、やはりシリーズを通してみてきた人にとっては、過去作をリスペクトしたシーンがあるのは嬉しい限り
なので、過去作をみていない人は、最低限
ミッション・インポッシブル
ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション
ミッション・インポッシブル/フォールアウト
の3本はみておくと良いとは思う
いずれにしても、
『ミッションインポッシブル: デッドレコニング』は、見る者をノンストップのスリルと感動の世界に誘う、圧倒的なエンターテインメント作品です。スクリーンから飛び出すような臨場感と、トム・クルーズの魅力的な演技によって、未見の方々も魅了されること間違いなしです。これぞ、真のアクション映画の名作!心を奪われること間違いなく、ぜひ劇場で体感してください。
ここからはネタバレ多め
新ヒロイン…というか、新規参入キャラクターのグレースのポジションがなんとも面白さに水を指している部分はあるかもしれない
グレースが危機また危機の呼び水になっていることであったり、自己中心的な行動が多かったりする。またイルサ・ファウストのときとは違って足を引っ張ったりする部分が多めに見えるので、
「グレース嫌いだわ、イライラする」
という感想を持つ人も出てくるだろう。
また今回の最大の敵がAIになっているということ。
ハリウッドのストライキの原因がAIに関すること
というのはなんとも言えない
昨今の様々な問題提起であったり論争になっているAIだが、そのAIをシナリオに組み込んだ…というのはなんとも言えないタイムリーさ
しかし、どう考えてもこの作品のシナリオ製作そのものは2018年-2019年頃に行われていたはずで、コロナの影響で撮影がのびのびになった…ことを考えると先見の明があったともいえる。
またAIを敵にすることで、明確な敵意や悪意を見せるのではなく、冷酷かつ淡々と目的のためAIが予測しその予測を裏切れない部分などもAIの怖さも感じるところだろう。
さらに敵をAIにすることでシステムな部分は圧倒的に不利になるのも新鮮だ。
いままで最新のシステムやネットワーク。ハッキングによって敵を欺き、裏をかき、ミッションを成功に導いてきたIMFの面々が徐々に追い込まれているハラハラ感がましているとも言える。
そして「パート1」らしい謎解き部分の多くが後編のパート2に引き継がれているところは素直に待つしか無いだろう。
やはり最大の謎は
ガブリエルとイーサン・ハントとの関係性
これはパート2までお預けとなる
最期にイルサ・ファウストが途中退場してしまうが、復帰の可能性がある……と勝手には思っている。
それはラスト直前にポム・クレメンティエフ演じるガブリエルと組んでいた女性暗殺者・パリスがイルサと同じところを刺されていながらも、まだ「息がある!」と生存を匂わせるセリフがあったため。
イルサもグレースとルーサーの界隈の中で亡くなったことを醸し出しているが、実際に亡くなったのは明確にはなっていない
それを考えると「実は助かってます」となっていてもおかしくない…と思ったりする…けど、レベッカ・ファーガソン好きとしては、こういった可能性を信じたくなるものです
改めて
ミッション・インポッシブル デッドレコニング
ぜひ劇場で体感してください。
監督・脚本/クリストファー・マッカリー
この人を語る上で外せない映画がある
95年に公開されていまなお、サスペンス映画の最高傑作の一つと言ってもいい「ユージュアル・サスペクツ」の脚本をしているからだ
そして、ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル(11)以降のミッション・インポッシブルシリーズや「オール・ユー・ニード・イズ・キル(14)」や「トップガン・マーヴェリック(22)」でも脚本担当、担当の一人だった彼が手掛けていることを考えれば面白さの下敷きは十分にあるといえるだろう。
また「アウトロー(12)」も彼の監督作品である
出演
イーサン・ハント/トム・クルーズ
ルーサー・スティッケル/ヴィング・レイムス
ベンジー/サイモン・ペッグ
イルサ・ファウスト/レベッカ・ファーガソン
ホワイト・ウィドウ/ヴァネッサ・カービー
グレイス/ヘイリー・アトウェル
ガブリエル/イーサイ・モラレス
キトリッジ/ヘンリー・ツェニー
ミッション:インポッシブル』シリーズの第7作目。
元々は2021年7月公開予定だったので、撮影自体は2019-20に行われていた作品。
コロナの影響でここまで伸びたが、来年にパート2の公開がある…と考えると、待つのが1年で済む…という考え方もある
ストレートに行って、アクションエンターテインメント映画+前後編の前編映画としては完璧に近い完成度と満足度。
トム・クルーズのアクション 散々予告などで流れていた 断崖絶壁からのダイビングアクションは見せないほうが良かったかもしれない…
あれのインパクトが凄すぎて他のアクションが「あれ待ち」感が出てしまう人もいたかもしれない
物語
ロシア原子力潜水艦でとある機器のチェックをしている様子からスタート。その原子力潜水艦は謎の潜水艦を捉え戦闘状態に入るが不可思議な事態に陥ってしまう…
時と場所を変えて、
イーサン・ハント(トム・クルーズ)はもちろんIMFの存在すらしらない政府高官が集まり会議を開いている。そこで議題に対して発言をしているのはキトリッジ。そこでイーサン・ハントやIMFの存在について話が行われる中一人の男が現れるのだが…
現段階で公式サイトなどに記載がない情報もあるのだが、少しネタバレ的お話しになってしまうのであしからず
基本ミッション・インポッシブルのタイトルのイメージできる、アクション映画ファンにとって見逃せない作品に仕上がっている。映画は緊張感に満ちた展開とスリリングなアクションシーンで観客を魅了してくれることは間違いないだろう。
散々というほど見せてくれていた断崖絶壁からのダイブシーンはもちろんだが冒頭からイーサン・ハントが危機に陥り、チーム力で切り抜ける緊迫感はシリーズおなじみのもの。
おなじみのもの=あるあるネタでもあるのだが、だとしても緊迫感と緊張感は半端ない
実際に列車上でのアクションシーンも実景とスタジオでの収録との違いがわからないほどで、ここでもアナログ的アクションを見せてくてくれる。
このロケが行われたラウマ鉄道は風光明媚ではあるが、実際に列車を落とすなど迫力あるシーンの連続で、まさにエンターテインメントのアクション映画として完成しているといえる
そういったアクションが注目されがちだが、本作はイーサン・ハントの深層心理や過去の因縁が織り交ぜられており、これまで以上に感情的なドラマが展開される。
イーサン・ハントが自身の過去と向き合いながら、絶体絶命の危機に立ち向かう姿は、観る者の心を揺さぶる部分もあるだろう。
今回の最大敵はテロリストでもなければ某国家でもなく、秘密組織でもない。さらに様々な組織が入り乱れるので敵味方の識別が難しくなるところだが、
イーサン・ハントの仲間以外は全部敵
というシンプルな設定にすることで観る側が判りやすくなるようにしている。
世界の覇権を変えるかもしれない鍵となるアイテム2つを巡る奪い奪われ、裏切られの2転、3転の物語は164分近くの映画でありながらも長さを感じない出来栄えになっている。
おなじみの、ルーサー(ヴィング・レイムス)やベンジー(サイモン・ペッグ)、イルサ(レベッカ・ファーガソン)といった、クリストファー・マッカリー監督からのキャラクターの見せ場もしっかりと用意されているのは嬉しい限り。
今回はルーサーとベンジーの圧倒的なハッカー能力が120%活かしきれなくなっていくシナリオになっており。これは最新のCGに頼らずアナログ的なアクションを徹底的に自ら実践するトム・クルーズらしい、
現代のCG映画へのアンチテーゼ
のようにも感じる
とは言いつつも、ルーサー、ベンジーともに見せ場はしっかりとあるのでシリーズファンは納得とも言える
そしてキトリッジの復活である。
第1作目でイーサン・ハントを付け狙い続けたが、ラストにはイーサンからの贈り物とも言えるマックス逮捕のカットから、ミッション・インポッシブルシリーズでは出番がなかった彼が、ポイントポイントで重要なポジションで出演する。
特に冒頭のイーサン・ハントとの対面・会話シーンでは1作目を思い出させるカット割りで見せてくれる。イーサン・ハントの方も目にうっすらと涙を見せながら首をふるシーンは1作目はまさにサービスカットとも言えるつながりで、ほぼ同じような角度で撮影をしているのではないだろうか?
さらに
2作目のOPのように、垂直の状態から体一つでよじ登っていったり、飛び移るシーンがあったり、
3作目のクライマックスを思い出させるような建物と建物の間を走り抜けるシーン(ベンジーのナビ付)
4作目/ゴーストプロトコルでもあった、古い軍事衛星の再利用
などなど、過去のミッション・インポッシブルで使われてきた小ネタを盛り込みしてくれているシリーズファンとしては嬉しい限りかもしれない
もちろん
ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション
ミッション・インポッシブル/フォールアウト
との関連性もあるので、やはりシリーズを通してみてきた人にとっては、過去作をリスペクトしたシーンがあるのは嬉しい限り
なので、過去作をみていない人は、最低限
ミッション・インポッシブル
ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション
ミッション・インポッシブル/フォールアウト
の3本はみておくと良いとは思う
いずれにしても、
『ミッションインポッシブル: デッドレコニング』は、見る者をノンストップのスリルと感動の世界に誘う、圧倒的なエンターテインメント作品です。スクリーンから飛び出すような臨場感と、トム・クルーズの魅力的な演技によって、未見の方々も魅了されること間違いなしです。これぞ、真のアクション映画の名作!心を奪われること間違いなく、ぜひ劇場で体感してください。
ここからはネタバレ多め
新ヒロイン…というか、新規参入キャラクターのグレースのポジションがなんとも面白さに水を指している部分はあるかもしれない
グレースが危機また危機の呼び水になっていることであったり、自己中心的な行動が多かったりする。またイルサ・ファウストのときとは違って足を引っ張ったりする部分が多めに見えるので、
「グレース嫌いだわ、イライラする」
という感想を持つ人も出てくるだろう。
また今回の最大の敵がAIになっているということ。
ハリウッドのストライキの原因がAIに関すること
というのはなんとも言えない
昨今の様々な問題提起であったり論争になっているAIだが、そのAIをシナリオに組み込んだ…というのはなんとも言えないタイムリーさ
しかし、どう考えてもこの作品のシナリオ製作そのものは2018年-2019年頃に行われていたはずで、コロナの影響で撮影がのびのびになった…ことを考えると先見の明があったともいえる。
またAIを敵にすることで、明確な敵意や悪意を見せるのではなく、冷酷かつ淡々と目的のためAIが予測しその予測を裏切れない部分などもAIの怖さも感じるところだろう。
さらに敵をAIにすることでシステムな部分は圧倒的に不利になるのも新鮮だ。
いままで最新のシステムやネットワーク。ハッキングによって敵を欺き、裏をかき、ミッションを成功に導いてきたIMFの面々が徐々に追い込まれているハラハラ感がましているとも言える。
そして「パート1」らしい謎解き部分の多くが後編のパート2に引き継がれているところは素直に待つしか無いだろう。
やはり最大の謎は
ガブリエルとイーサン・ハントとの関係性
これはパート2までお預けとなる
最期にイルサ・ファウストが途中退場してしまうが、復帰の可能性がある……と勝手には思っている。
それはラスト直前にポム・クレメンティエフ演じるガブリエルと組んでいた女性暗殺者・パリスがイルサと同じところを刺されていながらも、まだ「息がある!」と生存を匂わせるセリフがあったため。
イルサもグレースとルーサーの界隈の中で亡くなったことを醸し出しているが、実際に亡くなったのは明確にはなっていない
それを考えると「実は助かってます」となっていてもおかしくない…と思ったりする…けど、レベッカ・ファーガソン好きとしては、こういった可能性を信じたくなるものです
改めて
ミッション・インポッシブル デッドレコニング
ぜひ劇場で体感してください。