【特集】「追い出すなんてしたくない」2次避難所の旅館が次のステップを支援 従業員寮を改修

3 個月前
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(基於 PinQueue 指標)
【2024.2.16OA】
加賀市内にある旅館の多くは能登からの避難者を受け入れる2次避難所となっています。

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https://news.ntv.co.jp/n/ktk/category/society/ktf2f54615976c4a54a7e69e1b25d88e7a

新幹線開業が1か月後に迫る中、避難者が次のステップへ向かう後押しをしようと取り組む旅館を取材しました。

地震の影響で、観光客が激減した加賀温泉郷。



加賀市の3つの温泉地では5割以上となる6万7000人分の宿泊がキャンセルとなりました。

いま、旅館の多くは2次避難所となっています。

みやびの宿 加賀百万石の吉田久彦社長。

県からの打診を受け1月9日から避難者を受け入れ始めました。



吉田久彦社長:
「1番最初いらっしゃったときはほんとに皆さん、すごい辛そうな雰囲気というか悲壮な面持ちで」「今はだいぶ笑顔もみえるようになってきて」

現在、避難者の数はおよそ350人。



220ある客室のうち120室を提供しています。

高齢女性「助けてくださってありがとうございました」
社長「またゆっくりお風呂入っていただいて」
高齢女性「ありがとうございます、助けていただいて」



中には、集落単位で移ってきた人も。

大沢の女性
「うちは陸の孤島みたいになってる」
「道をどうにかせんと、1日でも早く」
「仮設もなんにもいらないから村に戻してほしいね」

道路が寸断された輪島市大沢町周辺からおよそ80人。

珠洲市高屋町からはおよそ30人が避難してきています。

大沢などの集落につながる県道の復旧には年単位の時間がかかる見通しです。



そして応急仮設住宅への入居までにはまだ時間がかかるため県では公営住宅やアパートなどのみなし仮設への入居を呼びかけています。

ただ、そうした場所に入居すると集落の住民たちがバラバラになりコミュニティが失われるという懸念が。

大沢町 大箱洋介区長:
(Qバラバラになることは)
「なるべくそれは避けたいと思っています。いろいろ皆さんの意志も聞かないといけませんから、ばらされるとそういう話もなかなか遠くなって拾えなくなる」



いずれは能登に帰りたいと願う集落の住民たち。

まとまった単位ですぐに移ることができる次の住まいが必要ですが行政の支援は追いついていません。

民間レベルでできることはないか。

避難者を受け入れている旅館が動き出しました。

「うちの寮、たくさん今空いています」
「県にも話をしまして、みなし仮設住宅として認めてもらえることができるんです寮を」
「それプラス2次避難所としても承認してもらえるということになりましたので」
「2次避難所として(寮を)提供できれば、食事も出せるので」」



旅館の近くにある従業員寮。

空き部屋が150室ほどあるためここを改修し「みなし仮設」や「2次避難所」として提供することにしたのです。

みやびの宿 加賀百万石の吉田久彦社長:
「なかなか人手不足っていうところもあって、寮に入る人も少なかったので」
「同じ在所の人たちでひとかたまりで入れば、ご高齢の方も安心して入れるでしょうから」

古い家具や照明を取り替え新しい家電製品も旅館で購入する予定です。

「家賃をいただけるので、もともと空いてたところですから」
「その分を改装だったりとか家具を買ったりとか、そういうところに充てていけるかなと短期的にはドンとお金出ますけど、長期的にみればその分ぐらいは回収できるかなと」



まとまって入居できる住まいを希望する人にとってはありがたい知らせでした。

珠洲市高屋町から避難している吉田華子さん。

同じ集落から避難している人は大半が高齢者のため代表して希望を聞き取っています。

吉田さん:
「ほんとにほっとしました寮のお話を聞いたときにずっと、どうアパートをとろうかとか、みんながまとまってとれるアパートってそんなないので」

さらに、旅館では短期で働ける仕事や、住まいのことなどを気軽に相談できる独自の窓口を設置する予定だといいます。



「行政は行政でなかなか、現地の対応が大変なので、準備できていないとか、制度上難しい部分があるので、だったら民間でできるところをやっちゃおうということで」

こうした取り組みを行うのは来月の新幹線の開業を見据えてのことでもあります。



みやびの宿 加賀百万石の吉田久彦社長:
「我々は被災者の方々がいらっしゃれば、旅館としては全然回ってるのでOKなんですよ」
「大きく儲けることもできないですけど、大きく損をすることもないので、いていただいたほうがいいんですよ、正直な話」
「なんですけど、周りの観光産業全体のことを考えると、3月16日というところで観光にシフトチェンジしていかないと」
「町全体の魅力がなくなっていってしまう」
「それこそ町の飲食店だったりお土産屋さんとか、酒屋さんだったりとか」
「1月2月、かなり売り上げが減って、じり貧の状態になってきているので、」
「なんですけど、いまいらっしゃる被災者の方々をそこで3月16日になったから皆さんじゃあ出てください、って追い出すことなんて絶対できるわけがないですし、したくないですし」
「でもお尻があるというところで、じゃあなにができるか考えたところで、皆さんがスムーズに次のステップに進めるように自分たちで自立して生活できる支援を旅館としてもやっていくことができるんじゃないかなと」



開業まであと1か月。

「笑顔でここを出て行ってほしい、やっぱり嫌な思い出にしたくないじゃないですか、旅館にいたことを。」

手厚いもてなしから自立した生活へ。

無理なく次のステップに歩みだすことができるよう民間レベルでの後押しが行われています。


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