「ミステリと言う勿れ」は原作未読、TVシリーズ未見でも楽しめる、ミステリー映画。ネタバレにならないと思うけど、ラストに犯人についてちょっとだけ

7 個月前
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ミステリと言う勿れ

監督/松山博昭
信長協奏曲(のぶながコンツェルト)(16)
ライアーゲーム(10)(12)



出演
久能整(くのう ととのう)/菅田将暉
狩集汐路(かりあつまり しおじ)/ 原菜乃華
すずめの戸締まりでヒロインの声をあて注目をされた

赤峰ゆら(あかみね ゆら)/柴咲コウ
狩集理紀之助(かりあつまり りきのすけ)/町田 啓太(まちだ けいた)
波々壁新音(ははかべ ねお)/萩原 利久(はぎわら りく)

車坂朝晴(くるまざか あさはる)/松下 洸平(まつした こうへい)

狩集弥(かりあつまり わたる)/滝藤賢一


原作では4番目のエピソードで、コミックスの2巻~4巻に収録されている「広島編」



ミステリと言う勿れ という 一つのジャンルを 繰り上げたと言ってもいい 小説 がベースとなった映画ではあるが 映画そのものも 菅田将暉という俳優を得ることによって 新たな ミステリー映画のジャンル ミステリと言う勿れ というものを作り上げたと言っても過言ではないほどの 練り込まれた 展開が非常に面白い作品

広島を観光旅行中の久能整(くのうととのう 菅田将暉)の前に、一人の少女が現れる。
彼女の名前は狩集汐路(かりあつまり しおじ/ 原菜乃華)。実家の遺産相続問題に向き合うために、久能整(くのうととのう)は強引に彼女の家に連れて行かれる。
親戚一同が揃う中、遺言書が読み上げられ、それぞれに蔵を渡し、あるべきところに返すといった、よくわからない文言が伝えられる。
ここから4人による遺産相続の争いが始まる…と思われたのだが…




予告編も編集が絶妙に うまく 原作を見ていない人でもワクワクするような構成になってはいたが 実際に 原作を読まずに見た感想としても 物語の展開のテンポが非常によく 2点 3点する謎解きの部分に関しては 引き込まれる部分が多分にあり 変に飽きるシーンが全くなく遊びのシーンすらもなく そういう意味で言うと 上映終了まで 流れが 淀むことなく 見終わった後に 新たな このミステリ という流れの映像作品を見たくなるような そして テレビシリーズの過去作を 見てみたくなるような うまい 終わり方に仕上げている



菅田将暉の 淡々として ただキーとなる単語であったり 引用に関する言葉を喋る時の 若干 声のトーンを落としつつ 丁寧にしゃべるという このキャラクターの構成の上手さによって この映画は 高い 完成度を実現していると言える

映画の冒頭では テレビドラマでもよく見られる 画面には映っていないけど実はここでこうしていましたよね という ベタと言えば ベタな演出で始まった時は
「こういった展開で演出をされた場合 見る側としては飽きが来るな」
と思ったものだが 物語が進むにつれ 当初思っていた展開とは全く違う展開にワクワク感が広がっていく。
また会話の節々にある不思議なパズルのピースが 菅田将暉 演じる 久能整(くのうととのう)によって絵面が完成していくに従い 見ている側も 一緒に謎を解いているような もしくはその場で一緒に 謎解きを聞かせてもらっているような そんな雰囲気にさせてくれる映画になっている


原作の完成度が高いというのは 演じる側としても非常にプレッシャーのかかるものだったろう。
菅田将暉ははじめとしたメインキャスティングの俳優たちが素晴らしい役者であることもあって 演技の上手さにどんどん引き込まれていく

ミステリー映画の場合
犯罪が行われ、探偵や刑事でありがどのような形で犯人を追い詰めていくのか という その過程を楽しむ という方法もあれば、「刑事コロンボ」のように犯人は最初から分かっており いかに刑事コロンボが「いやぁ うちのかみさんだね」という名台詞 と共に犯人のアリバイを切り崩していくか という会話劇を楽しむというこの2つのパターンが多くある

しかしこの映画は 主人公はすべての謎に対して自ら謎解きをするのではなく あくまでも巻き込まれながら 謎解きをするといったポジションが面白おかしく描かれている。


菅田将暉の演技の振り幅については素晴らしいとしか言いようがない この世代の俳優としては まさに牽引しているポジションにいると言ってもいいだろう
役柄 一つ一つについても彼自身が 役に対して真摯に向き合い そのキャラクターを掘り下げ 菅田将暉である以上にそのキャラクターになりきる そういった部分を含めて この映画でも久能整(くのうととのう)という一つのキャラクターを構築するのに見事に成功している。

いずれにしても上質なミステリー映画であり、原作を未読、TVシリーズを観ていなくてもほぼ楽しめる1本
この作品をきっかけとしてTVシリーズをみなす人も出るかもしれない

いい映画を見せてもらいました


ネタバレ
いささか演出的にもセリフの使い方にしても犯人の喋るときのカット割りがわかりやすかった…といえばわかりやすかったかもしれない
全体の構成を考えながら観ていると、今回の犯人のポジションが明確に浮いているのが手に取るようにわかる
このあたりはミステリー慣れしている人からすると露骨にわかるかもしれない

原作未読、TVシリーズ未読の自分でも、謎の転換点から20分もしないうちに犯人がわかる…というのは、わかり易すぎるだろ…と思ったところもある
結局は俳優が上手いからわかるのだが、声の抑揚であったりボリュームであったり、話の流れというか道筋をきちんと追っていれば、サクッと判ってしまったのは惜しいところ。
だが、それでも面白かったのは事実です
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