袴田さんの再審=やり直し裁判は、すべての審理が終わりましたが、そもそも裁判のやり直しが認められるまでには、事件発生から57年もの月日が費やされました。これほどまでに時間がかかる原因として指摘されるのが再審制度の不備です。再審制度の問題点とされている一つが「検察側の抗告」です。検察が裁判所の決定に不服を申し立てて抗告すると地裁での審理は高裁に、高裁での審理は最高裁に移ることになります。袴田さんの再審は2014年に一度認められましたが、検察の抗告を受けた東京高裁が地裁の再審開始決定を取り消した経緯があります。抗